夫婦別姓、事実婚に関する基礎知識

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欧米で増える事実婚や夫婦別姓

日本においては「結婚」という制度は男女二人ではなく家同士がつながるものという意味合いが強く持たれてきました。

そのため従来までの結婚相手選びでは個人だけでなく近所や両親の意見を多く反映しており、結婚をしたなら主に嫁側が夫となる人の家に入るという形が取られていました。

しかし現在ではすっかり結婚に対しての価値観も変化しており、まず男女二人が同意をすればそれで結婚は成立すると法律で保障をされており、二人で実家を出て全く新しい世帯を構えるスタイルが定着しています。

そうした結婚というものに対しての価値観の遷移は、何も日本だけで起こっているわけではありません。

欧米においては事実婚を選択する夫婦が増加しており、法律や社会福祉もそうしたニーズに合わせて大きな変化をしてきています。

もともとヨーロッパのカトリック系の国では、結婚は男女二人ではなく、それぞれ個人が神の前で約束をするという認識で行われてきました。

つまり神様の前で目の前の新郎・新婦と一生過ごすと誓いを立てるということにより、個人的な事情で離婚をすることが厳しく制限されていたのです。

そうした結婚に対しての拘束力を重いと感じた人たちが選んでいるのが事実婚で、あえて籍を入れない関係をパートナーとの話し合いで決めることがよくあります。

内縁の夫・妻という立場の不安定さ

日本においても事情があって結婚ができない人や、結婚という形にこだわりたくない人が事実婚を選択する事例が多く見られています。

しかし日本の婚姻制度はかなり厳しく制定されていることから、仮に事実婚として内縁関係にある人がいたとしても、実際に婚姻届を出した人が他にいる場合にはそちらを保護することとなっています。

最も司法の現場ではそうした内縁関係にある事実婚と、正式な手続きをした婚姻とのバランスをとって、実質的に夫婦関係があったと推定できる場合はある程度の権利を認めるように変化をしてきています。

もう一つ夫婦問題としてよく取り上げられるのが「夫婦別姓」です。
「夫婦別姓」にもいくつかのパターンがあり、実際に婚姻届を出している場合と出していない場合とで大きく区別されます。

現行の婚姻制度においては結婚をすると妻もしくは夫はそれまでの姓を変更して夫婦同一の名前を名乗るようにとの定めがあります。

ところがこの名義変更というのがかなり面倒であり、仕事において急に名前が変わることで不利益を被るということも珍しくありません。

そこで名字を変更しなくてもよいようにあえて婚姻届を出さないという場合があります。
入籍をしていても通称では旧姓を使用し続けているというのがそのケースで、仕事場でみんなに教えている名前が本名と異なるということになります。